リーダー必見!共感を求めるときの注意点!

コミュニケーションをとるうえで最も強く働く力が「共感力」ではないでしょうか。言っていることを分かってくれることで人は安心感を得られます。
人の顔色を伺うのは、この共感を求める行動だと思います。
では、共感するときに注意したい点をお伝えします。
共感を求めるにあたり気を付けなければならないことがあります。
目次
行動に繋がる共感と行動に繋がらない共感がある!
先ほどもお伝えしましたが、共感とは人が行動するときの原動力として大きな役割を持っています。
日常の言葉として使う「共感」という言葉は一つしかありませんが、心理学で扱う「共感」は二つの意味を持っています。
コンパッションとエンパシーという言葉があります。
コンパッション:compassion
[同情, 慈悲, 哀れみ, 共感, 哀れ, 情け]
コンパッションとは、ラテン語から来た「情熱と共に」という強い共感を表します。心理学でいうコンパッションは他者の感情を感じているが、客観的にいられる状態を指します。
日本語で表すことが難しいのですが、「相手に寄り添う」というニュアンスが一番適当かもしれません。
この場合、相手に寄り添うという客観視ができているので、行動できる状態にあります。
コンパッションが持つ3つの資質
・その場にしっかりいられる能力。目の前のことを受け止めて、逃げないこと。
・相手を大切にし、相手に関心を持つこと
・相手にとって最善の結果になるよう貢献する
エンパシー:empathy
[共感, エンパシー, 情, 情緒, 情意, 人情]
コンパッションとは少し違い、共感というより「感情移入」という意味を持ちます。他者の感情を受け取ると自分も同じ感情になってしまう状態をいいます。
客観視できずに同じ感情になっているので、行動には移せません。
どうでしょうか。
共感して行動に移せることと、共感することで動きが取れなくなってしまう。
人は、苦しみや辛い想いはエンパシーで共感していると脳の「悲しみ」や「痛み」といった不快感情を司る部位が活性化すると言われています。
これは、脳科学で実証されています。
人は、エンパシーを感じると苦痛を避けようとすることで、相手を助けようとする行動はできないのです。
脳が人を助けるための指令はコンパッションから生まれる!
人の痛みや苦しみにコンパッションで共感するか、エンパシーで共感するかで大きく結果が変わってくるということです。
リーダーにはコンパッションの共感が必要で、ただ単に共感することが必要な訳ではないのです。
痛みや苦しみにコンパッションで共感すると、助けるための脳が働くのです。
これが「寄り添う」行動になり、エンパシーで共感してしまうと「感情移入」してしまう。つまり寄り添う行動というよりは一緒になって落ち込んでしまうということです。
コンパッションとエンパシーをまとめると、
【コンパッション】で共感
脳の協力的な「行動」「充実感」「持続力」部分が活性化する。
【エンパシー】で共感
脳の「悲しみ」や「痛み」といった不快感情を司る部位が活性化する。
人と過ごすうえで必要な共感力はどちらが必要かが一目で分かるはずです。
例えば、仲間が失敗し、落ち込んでいるとします。
コンパッションで共感することを意識していると、寄り添う言葉がかけられます。「その気持ち分かるよ」とその気持ちに寄り添いながらも、客観視できる状態ですので、「例えば、こんなやりかたをしてみたらどうだろう」とリカバリー方法を切り出すことができます。
一方、エンパシーで共感していると、「その気持ち分かるよ」と一緒に落ち込んでしまい、何も切り出せない状態になってしまいます。気持ちは分かるのですが、聞いている方も落ち込んでしまっていますので、一緒にお酒を飲んで愚痴を聞くくらいしかできません。
もちろん聞いてもらうだけでも心は回復に向かうかもしれませんが、生産性はほとんど生まれません。
失敗して落ち込んでいる状況は全く変わっていないのです。
まとめ
今回は、コミュニケーションに必要な「共感力」について解説しました。
共感という言葉は聞いたことがあるはずですが、落ち込んだ相手の力になれなかったことは誰しもあると思います。
それは、エンパシーで共感しているからなんです。
意識一つ、知識一つで多くの人を救えることに繋がります。
これは、心理学や脳科学が必要ない世界でも、人と関わることで助けること行動ができるか、一緒に落ち込んで長引かせるかの分岐点になります。
泣いている相手と一緒に泣くことでは、話は進んでいないのです。
このコンパッションという言葉と、エンパシーという言葉を理解しているだけで、あなたは人のために行動できる脳になります。